2019年05月16日 公開

中年男性では安静時の心拍数が75回/分を超えると危険

 50歳時の安静時心拍数が75回/分を超えていた男性は55回/分未満であった男性に比べて全死亡および心血管イベントのリスクが2倍に上昇する。スウェーデン人男性約800人を21年間追跡して、安静時心拍数が健康に及ぼす影響を検討した研究結果がOpen Heart2019; 6: e000856)に発表された。

1回/分増加ごとに全死亡リスク3%上昇

 この研究では、1943年にスウェーデン・イエーテボリ市で生まれた男性1,450人をランダムに抽出。そのうち研究に同意してライフスタイル、心血管疾患の家族歴、ストレスの強さに関する質問票に回答した798人を、1993年(50歳)から2014年(71歳)まで21年間追跡して、心拍数と全ての死亡、心血管疾患、冠動脈疾患との関連を調べた。1993年、2003年、2014年の各時点で、安静時心拍数の測定および心電図検査を含む総合的な診察を行った。

 追跡期間中に119人(14.9%)が死亡、237人(29.7%)が心血管疾患を発症、113人(14.2%)が冠動脈疾患を発症した。

 1993年時に安静時心拍数が55回/分以上だった男性は、55回/分未満の男性に比べ喫煙率が高い一方で身体活動度は低く、強いストレスを受けており、高血圧や過体重などの心血管危険因子を持っている割合が高かった。

 また、1993年時に安静時心拍数が75回/分を超えていた男性は、55回/分未満の男性に比べ全死亡リスクが2.3倍、心血管疾患リスクが1.8倍、冠動脈疾患リスクが2.2倍に上昇していた。

 安静時心拍数が1回/分増加するごとに、全死亡リスクは3%、心血管疾患リスクは1%、冠動脈疾患リスクは2%上昇することも分かった。

心拍数の経年変化なければリスク低下

 一方、1993~2003年(50~60歳)に安静時心拍数の変化が4回/分以内で安定していた男性は、5回/分以上増加した男性に比べてその後11年間の心血管疾患発症リスクが44%低かった。

 研究者らは研究の限界として、①観察研究であるため因果関係を証明することはできない②研究対象が男性のみ③被験者の加齢自体が危険因子として影響した可能性がある―などの点を指摘。その上で、今回の結果について「将来の心血管リスクを特定する上で、安静時心拍数の経時的変化を観察することが重要である可能性が示された」と結論している。

(あなたの健康百科編集部)