2019年05月29日 公開

心不全患者は運動をした方がよいのか?

 心不全患者では認知機能に問題を抱えてしまうケースが多いとされるが、運動により心不全患者でも認知機能低下を回避できるかもしれない。イタリア・University of RomeのErcole Vellone氏らが、心不全患者を対象とした研究において、運動機能が維持されている患者では、そうでない患者と比べて認知機能障害を抱えている割合が少なかったことを、欧州循環器疾患看護会議2019で報告した。

認知機能維持と運動機能の高さ、若年、高学歴が関連

 Vellone氏は今回、心不全患者605人(平均年齢67歳、男性71%)を対象に認知機能の調査を行った。その結果、67%の患者で軽度かそれ以上の認知障害が見られたが、6分間の歩行テストで歩行距離が長かった患者は、若年や高学歴の患者とともに、認知機能障害の割合が少なかった。

 同氏は試験結果を踏まえ、「身体活動が心不全患者の認知機能の改善と関係があるというエビデンスは得られていない。しかし、運動が生活の質や寿命に良い影響を与えることは分かっている。また、高齢者における複数の研究では、運動が認知機能改善に関連することが報告されている。同じことが心不全患者を対象とした試験でも今後証明されることを期待する」と述べた。

 また、「心不全患者は運動をしてはいけないという誤解があるが、ウォーキングであれ、水泳であれ、他の運動であれ、自分が楽しめるものを見つけるとよい。運動が健康状態や記憶力を改善し、心理的に良い影響を与えるというエビデンスはある」と心不全患者においても、運動することの重要性を指摘した。

(あなたの健康百科編集部)