2019年06月14日 公開

女性は自分のいびきを過小評価する

American Academy of Sleep Medicine

 いびきは、寝ている間に呼吸が止まる閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の一般的な徴候である。睡眠中のいびきの音量に男女差はないが、女性は男性に比べていびきの症状があることを医師に申告する頻度が低く、いびきの音量を過小評価する傾向があることが、睡眠中の検査で測定した客観的ないびきの音量と、患者が自己申告したいびきの有無および音量を比較した研究から明らかになった。イスラエルの研究者らが結果を医学専門誌J Clin Sleep Med2019; 15: 471-476)に発表した。

「いびきあり」、実際は88%に対して自己申告は72%

 研究の対象は、イスラエル・Soroka大学病院睡眠障害センターを受診した患者1,913例〔平均年齢49歳、女性675例(35.3%)、男性1,238例(64.7%)〕。

 研究者らは、まず質問票で患者にいびきの有無と重症度(①軽症②中等症③重症④最重症の4段階)を自己申告させた。次に、睡眠障害の診断に用いる睡眠ポリグラフ検査を行っている最中にデジタル騒音計でいびきの音量を客観的に測定、重症度を①いびきなし(40dB未満)②軽症(40~45dB)③中等症(45~55dB)④重症(55~60dB)⑤最重症(60dB以上)―に分類した。

 デジタル騒音計で測定した睡眠中のいびきの平均音量は、女性が50.0±6.0dB、男性が51.7±6.5dBとほぼ同等であった。

 しかし、質問票で「いびきなし」と自己申告した患者の割合は、女性の28.0%に対して男性では6.9%にすぎず、有意な性差が認められた(P<0.05)。また、男性では「いびきあり」の客観的な測定結果(92.6%)と自己評価(93.1%)がほぼ等しかったが、女性ではそれぞれ87.6%と72.0%で大きな差が見られた。

いびきなしと回答した女性の36.5%が重症

 客観的ないびきの音量測定で重症/最重症に分類された女性は48.7%であったが、質問票で自身のいびきを「重症/最重症」と回答した女性は38.4%にすぎず、男性の61.5%に比べて少なかった。

 さらに、女性では質問票で「いびきなし」と回答したにもかかわらず、音量測定で重症/最重症に分類された、自己評価と客観的評価に食い違いが見られた患者は36.5%に上った。それに対し、男性での割合は11.7%にすぎなかった。

社会的な偏見が原因の可能性

 研究者らは「今回の研究で、女性はいびきの症状があることを医師に申告する頻度が低く、実際の症状より軽く表現する傾向が見られた。女性のいびきに対する社会的な偏見があるため、女性はいびきに関する質問に正確に回答しない可能性がある。その傾向が、女性が睡眠障害の受診を妨げる原因の1つになり、女性OSA患者の過小診断にもつながっている可能性がある」と述べている。

 さらに研究者らは、OSAの男性患者に比べて、女性患者はいびき以外の症状を訴える頻度が高くなる可能性があることを指摘。OSAが疑われる女性の検査を行う医療従事者に対し、女性患者では日中の疲労感など、いびき以外の症状にも注意するよう呼びかけている。

(あなたの健康百科編集部)