2019年06月21日 公開

電子たばこのイメージ画像は要注意

使用経験がない若年への影響大

 米・南カリフォルニア大学ケック医学校のMatthew G. Kirkpatrick氏らは、漫画キャラクターを用いた電子たばこの販売戦略は、電子たばこの使用経験がない若年層の使用率を高める可能性があるとする研究結果をDrug Alcohol Depend2019; 201: 109-114)に発表した。同氏らは、電子たばこ製品への漫画キャラクターの使用は消費者行動と強力に結び付くと批判している。

キャメルのラクダ問題の繰り返し?

 1980年代に米国のたばこメーカー・キャメルは、イメージキャラクターとしてラクダのJoe Camelを企用し、若年層への販売促進キャンペーンを行った。米国ではJoe Camelが広く認知されたことで未成年層での喫煙が懸念され、紙巻きたば製品への漫画キャラクターの使用が規制されるほどの社会問題となった。ちなみに、就学前の3~6歳児にとってJoe Camel の認知度はディズニーのミッキー・マウスと同程度であったとする研究結果が、著名な医学雑誌であるJAMAに1991年、報告された(JAMA 1991; 266: 3145-3148)。

 Kirkpatrick氏らは「電子たばこや電子たばこ用リキッド(e-リキッド)のマーケティングに使用されている漫画キャラクターは、かつて使用が規制されたJoe Camelと同様に若年層に影響を及ぼす可能性がある」と指摘している。

「同様の広告規制が必要」

 今回、Kirkpatrick氏らは、e-リキッドのパッケージが若年層の消費行動に及ぼす影響を検討する目的で、2つのインターネット調査を実施した(調査期間2018年6月13日~8月10日)。

 1つ目(study 1)は、電子たばこの使用経験がない、日常的に使用している、または使用経験がある米国の成人778人(平均年齢23.5歳、女性62%)に行ったもの。e-リキッド使用により予測されるベネフィット・リスクに関する質問に全て回答した者に、22種類のe-リキッドのパッケージ(漫画なしを含む)を見せた上で、製品への認識と使用への影響を評価した。

 検討の結果、過去に電子たばこを使用した経験がある人に比べて経験がない人では、製品に対する認識がパッケージに描かれた漫画に影響されやすく、電子たばこを使用する可能性が高まることが分かった。

 2つ目の調査については、電子たばこの使用経験がない人、日常的に使用している人、過去1カ月以内に使用した人の522人(平均年齢30.4歳、女性55%)に24種類のe-リキッドのパッケージ(漫画なしを含む)を提示し、製品力を評価してもらった。

 その結果、パッケージのイメージ画像における漫画の有無にかかわらず、製品力の評価に差は見られなかった。

 これらの結果を踏まえ、同氏らは「電子たばこ製品の販売戦略に漫画キャラクターを採用することは、電子たばこの使用に対する消費者行動と関連していた。これは、電子たばこ製品でも紙巻きたばこ製品と同様の広告規制が必要であることを示唆するものである」と強調している。

(あなたの健康百科編集部)