2019年06月24日 公開

出会い系アプリ利用者に摂食障害が多い?

 世界規模で利用者が増加しているスマートフォンの出会い系アプリだが、見た目重視のパートナー探しには、健康上のリスクにつながる落とし穴があるようだ。米・ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院の研究グループが米国の成人を対象に調査したところ、出会い系アプリ利用者では利用しない人と比べて摂食障害の症状を持つ割合が多いことをJournal of Eating Disorders(2019; 7: 16)に報告した。

見た目重視のパートナー探しが不健康なダイエット行動を誘発

 スマートフォンを持つ20〜49歳の日本人を対象とした2019年の調査によると、出会い系アプリを利用した経験がある人は男女ともにおよそ3割。米国での2017年の調査によると、18〜29歳の3割が出会い系アプリの利用者だ。FacebookやInstagramなどのソーシャルメディア(SNS)と同様に、出会い系アプリも他の利用者のプロフィールや写真を閲覧して交流でき、出会いを求める人が気軽にパートナーを見つけられることから利用者が増えている。

 出会い系アプリの利用者が相手を選ぶ際にはプロフィール画像(外見)が重視されるため、他の利用者と比較した自分の見た目や体形にコンプレックスを抱くことが明らかになっており、外見などに基づく差別を引き起こす可能性が示唆されている。

 これまでにもテレビや雑誌、SNSなどのマスメディアが理想的な体形イメージ(男性の場合は体脂肪が低く筋肉質であること、女性の場合は痩せていること)を一般化することにより、個人の体形への不満を助長し、過食嘔吐やダイエットピルの使用といった、不健康なダイエット行動を引き起こす危険性が指摘されてきた。一方、出会い系アプリが不健康なダイエット行動に及ぼす影響を調べた研究はほとんどない。

出会い系アプリ利用者では不健康なダイエット行動が多い

 そこで研究グループは、出会い系アプリでは利用者が見た目を気にするあまり、摂食障害の症状と考えられる不健康なダイエット行動を起こす割合が多いと仮定。2017年10〜12月に、米国在住の18〜65歳の男女を対象として過去30日間の出会い系アプリの利用頻度と過去12カ月以内の不健康なダイエット行動(嘔吐、絶食、下剤やダイエットピル、筋肉増強サプリメント、アナボリックステロイドの使用)の頻度を問うアンケートを実施した。

 その結果、出会い系アプリ利用者では利用しない人に比べて男女ともに不健康なダイエット行動が多いことが明らかになった。男性では女性と比べて筋肉増強サプリメントやアナボリックステロイドを使用する割合が多かった。一方、性的指向と不健康なダイエット行動との関連性は見られなかった。

 加えて、白人と比べてアフリカ系米国人では不健康なダイエット行動を取りやすい傾向が明らかに高かった。アジア系米国人、アフリカ系米国人、ヒスパニックなどでは、白人と比べて、特に青年期において不健康な体重管理行動を起こす割合が多かった。

 研究グループは「外見を主体にパートナーを探すという出会い系アプリの特性は、人種や体形による差別を引き起こす懸念がある。出会い系アプリの利用が摂食障害の直接的な原因かどうかは不明だが、出会い系アプリの利用者では摂食障害のリスクが高まることが示唆された。その因果関係について、さらなる研究が必要だ」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)