2019年07月01日 公開

抹茶を飲むと不安が和らぐ!?

 格式のある茶会などで供せられるイメージが強い抹茶だが、最近ではお菓子やアイスクリームのフレーバーとしても親しまれ、日本を訪れた外国人観光客にも人気を博している。このたび熊本大学大学院の研究グループは、マウスを用いた実験により抹茶には不安を軽減する効果があることが分かったとJournal of Functional Foods2019; 59: 301-308)に発表した。

ドパミンとセロトニンの活性化が関与

 抹茶には美容効果やリラックス効果など、さまざまな作用があるといわれているものの、その科学的根拠は十分に解明されていない。そこで研究グループは、床より高い位置に壁で囲まれた走路(Closed arm)と壁のない走路(Open arm)を十字状に組み合わせた迷路にマウスを置いて、その後の行動で不安を感じているかどうかを調べる「高架式十字迷路試験」という方法を用い、抹茶の抗不安効果を調べた。

 マウスは暗くて狭い場所を好むため、同試験では開放的なOpen armでの滞在時間や移動距離が長いほど、マウスの不安レベルが低いとされる。研究グループが、抹茶を熱水で抽出したエキスを飲ませたマウスと、より抹茶成分が濃くなる80%エタノールで抽出したエキスを飲ませたマウスの行動を比較したところ、いずれのマウスも暗くて狭いClosed armよりもOpen armでの滞在時間と移動距離が長かった。

 マウスのこうした行動には、不安行動と関連の深いドパミンD1受容体とセロトニン5-HT1A受容体の働きが関与しているという。研究グループは「抹茶の摂取は、ドパミンとセロトニンの活性化を通じ、抗不安効果を発現していると考えられる」と結論。「日本の食文化の1つである抹茶を世界に広めることで、日常の食生活によって健康を増進する新しいライフスタイルの提案が期待できる」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)