2019年07月03日 公開

重度の耳鳴りがある女性は自殺企図のリスクが高い

 重度の耳鳴りを訴える女性は自殺を企てる(自殺企図)リスクが高い、とイタリア・Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario Negri IRCCSのAlessandra Lugo氏らの研究グループが発表した。男性では同様のリスクは認められなかったとしている。

 重度の耳鳴りは、抑うつや不安と強く関連することが報告されている。また、Lugo氏らの研究で、耳鳴りに関連した精神疾患を抱えている患者の割合が、男性よりも女性の方が高いことを報告している。さらに、重度の耳鳴りを有する患者は、自殺企図リスクが高いことを示した研究が最近報告されている。

 そこで、同氏らのグループは、スウェーデンの住民データベースを用いて、耳鳴りに悩む人の自殺企図との関連などについて調べた。対象者は質問票に回答した成人7万1,542人で、このうち自殺を企てた経験があった人は2,404人(3.4%)だった。耳鳴りがあると回答した人は1万6,066人(22.5)おり、1,995人(2.8<%)が重症と答えた。一方、専門医による耳鳴りの診断歴を有していたのは1,484人(2.1%)で、重度の耳鳴りを報告した人のうち専門医による診断を受けていたのは395人(19.8%)であった。

耳鳴りと診断された人ではリスクの上昇認められず

 解析の結果、重症度に関係なく耳鳴りがある人は、ない人に比べて自殺企図の経験者が多く、重度の女性では、そうでない女性に比べて自殺企図のリスクとの明らかな関連が認められた。一方、専門医により耳鳴りと診断された人では、自殺企図リスクの上昇は認められなかった。

 この結果を踏まえ、Lugo氏は「男女で耳鳴りと自殺企図リスクは異なっており、重度の耳鳴りと自殺企図リスクの関連は女性で認められた一方、男性では認められなかった」と結論付けた。また、専門医による耳鳴りの診断歴がある人では、自殺企図リスクの上昇は認められなかったことから、「診療によって耳鳴り患者が抱えるQOLの問題が解決される可能性がある」との見解を示している。

(あなたの健康百科編集部)