2019年08月20日 公開

寝る90分前の入浴が睡眠の質改善に最適

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 睡眠の質を改善するため、就寝前に温かいお湯のシャワーを浴びたり、入浴したりして体を温めることが推奨されているが、睡眠改善には就寝時刻のどのくらい前に入浴するのが最も効果的かは明らかになっていなかった。米国の研究者らが検討した結果、睡眠の質改善には就床90分前の入浴が最適であることが分かったと医学専門誌Sleep Med Rev2019; 46: 124-135)に報告した。

40~42.8℃での入浴が主観的睡眠の質と睡眠効率を改善

 温かいお湯のシャワーやお風呂に入ることで体の温度調節システムを刺激し、血液を体の中心から手や足などの末梢部へと循環させることで、体熱を効果的に放散し、上昇した体温が低下することで、睡眠の質を改善する。

 また、健康な人の体温は、夕方ごろには就寝時刻より高く、就寝時刻の1時間前には深部体温が低下、夜間に最も低くなった後で再び上昇する。このような体温周期は睡眠周期に影響を及ぼし、入眠潜時(覚醒状態から入眠するまでの所要時間)の短縮と睡眠効率(就床時間のうち実際に眠っている時間の割合)の改善に欠かせない。

 そこで研究者らは、深部体温を低下させて睡眠の質を改善させる入浴の最適なタイミングを割り出す目的で検討を行った。

 まず、医学論文のデータベースから入浴やシャワー浴の睡眠改善効果を検討した5,322件の論文を抽出。入浴やシャワー浴が睡眠に及ぼす影響について解析した。

 その結果、40~42.8℃のお湯を用いたシャワー浴や入浴は、主観的な睡眠の質と睡眠効率の改善と関連していることが分かった。またシャワー浴や入浴を就寝1~2時間前に行うと、入眠潜時が10分有意に短縮した。

 以上の結果から、研究者らは「深部体温を下げて睡眠の質を改善させるのに最適な入浴タイミングは就床90分前であることが分かった」と結論。さらに、「就寝前の温かいお湯のシャワー浴や入浴が睡眠に与える影響に関する報告、特に最適なタイミングと温まる時間、効果のメカニズムについての報告が少ないことから、今後さらなる研究が必要だ」と指摘している。

 研究者らは現在、体温調節機能を搭載し、夜間を通じて個々の使用者に最適な体温が得られるようなベッドシステムの開発、商品化に取り組んでいるという。

(あなたの健康百科編集部)