2019年08月26日 公開

狭心症には鍼治療が有効かも

 一時的な胸の痛みや圧迫感に襲われる狭心症。そのうち、数カ月にわたって症状が安定しているものを安定狭心症と呼ぶ。安定狭心症では、治療に薬を用いるのが一般的だが、中国の研究グループは今回、薬の補助療法として鍼治療の効果を検証。その結果、狭心症の発作が抑えられたという。詳細は、JAMA Intern Med2019年7月29日オンライン版)に掲載されている。

安定狭心症の患者を4グループに分けて評価 

 安定狭心症は、心臓の筋肉(心筋)に供給される酸素が不足することで起こり、心血管疾患や突然死に至るリスクもある。治療として、ガイドラインでは薬物療法が推奨されているが、中国では医療資源の確保が難しかったり、手術をしても改善しないケースがあったりする。 

 そこで研究グループは今回、安定狭心症に対する薬物治療の補助療法として、鍼治療の有効性を探った。

 35~80歳の安定狭心症患者398人を、①心臓のつぼとされる場所に鍼治療を行うグループ②心臓以外のつぼに鍼治療を行うグループ③つぼではない場所に鍼治療を行うグループ④鍼治療を行わないグループ―の4つに分けた。全グループに薬物治療を行い、①②③のグループには補助的に週3回の鍼治療を4週間継続した。狭心症発作の記録を16週間付けてもらい、補助療法による発作の変化を評価した。

心臓のつぼへの鍼治療で狭心症発作が減少

 その結果、心臓のつぼとされる場所に鍼治療を行うグループでは、心臓以外のつぼに鍼治療を行うグループに比べて、狭心症の発作頻度が明らかに低かった。つぼではない場所に鍼治療を行うグループ、鍼治療を行わないグループと比べても同様に、心臓のつぼに鍼治療を行うグループの狭心症の発作頻度は明らかに低かった。

 研究グループは今回の研究を振り返り、研究の限界として以下の点を挙げた。①症例数が少ない②患者登録の時点で心筋梗塞や心不全の病歴がある人を除いたため、今回得られた結果がそれらの病歴を持つ人には当てはまらないかもしれない③16週以降の長期的な有効性は分からない―。その上で、「心臓のつぼとされる場所への鍼治療は、安定狭心症の補助治療として有効でした。鍼治療は、狭心症を緩和するための補助治療の選択肢の1つとして考慮されるべきです」との考えを示している。

(あなたの健康百科編集部)