2019年09月13日 公開

日本の小中学生の8~9割が近視

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 約50年前から世界的に近視が増加傾向にあり、特にアジア系の人で多いことが知られている。また、日本では強度近視が失明の原因の第4位に挙げられている。それにもかかわらず、日本の近視有病率は1990年以降報告されていなかった。今回、20年ぶりに日本の近視有病率について東京都内の小中学生約1,400人を対象とした調査が行われ、その結果が医学専門誌 JAMA Ophthalmol2019年8月15日オンライン版)に報告された。近視有病率は小学生で約80%、中学生で約90%と非常に高かったことから、研究者らは近視の増加傾向に警鐘を鳴らしている。

20年前から顕著な増加

 近視とは、遠くの物を見た時にピントが網膜よりも前の位置で合ってしまう状態をいう。近視の発症と進行の詳細なメカニズムは明らかになっていないが、その多くは学童期に角膜から網膜までの距離(眼軸長)が伸びてしまうことによる軸性近視で、眼鏡を使えば正常視力まで矯正できる単純近視が多い。しかし、まれに眼鏡などを使っても正常な視力に矯正できない病的近視に進行する場合もある。特に度数が強く、眼軸長が長い強度近視では、眼軸長が過度に伸びることで網膜の中心部である黄斑という部位に障害が生じ、見ようとする対象が見えにくくなる黄斑変性や視神経障害などの合併症のリスクが上昇する。

 厚生労働省の2005年度の報告では、強度近視は失明の原因の第4位に挙げられている。日本の近視有病率に関しては、1989~91年の12歳児で43.5%であったことが1999年に報告されているが、それ以降、調査や報告は行われていなかった。

 そうした中、研究者らは2017年4月1日~5月31日に東京都の公立小学校と私立中学校の生徒を対象として、近視有病率について調査を行った。

 近視の程度は、屈折度の単位であるジオプトリー(D)で評価し、-0.5~-5.9Dを近視、-6.0D以下を強度近視とした。

 小学生689人(平均年齢8.4歳)と中学生727人(同13.0歳)の計1,416人(男児55.9%)を解析した。

 その結果、小学生の近視有病率は76.5%で、1年生の時点で既に60%を超えていた(図1)。強度近視有病率は4.0%だった。

図1. 東京都内公立小学校における近視・強度近視有病率

 中学生の近視有病率は94.9%で、3学年全てにおいて90%を超えていた(図2)。強度近視有病率は11.3%だった。

図2. 東京都内私立中学校における近視・強度近視有病率

(図1、2ともJAMA Ophthalmol 2019年8月15日オンライン版)

 研究者らは「これらは、最新の都内小中学生の近視に関するデータである。今回の結果が近視の増加に対する警鐘となり、今後の近視・強度近視の増加に歯止めをかける一助になることが期待される」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)