2019年09月24日 公開

腸内細菌が"太る"油を代謝

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 腸内細菌が食事による肥満を改善することが知られているが、東京農工大学教授の木村郁夫氏らがその機序を解明した。肥満を改善する生活習慣や治療法の開発に役立つ知見だという。詳細は、Nat Commun(2019; 10: 4007)に掲載された。

リノール酸から肥満を改善する脂肪酸に変換

 木村氏らが行ったマウスの実験結果によると、高脂肪食を与えたマウスの盲腸内では乳酸菌が減少、ω-6系多価不飽和脂肪酸(リノール酸)の腸内細菌代謝産物であるHYAも著明に減少、これらの減少が肥満の進行との関係が疑われた。そこで、HYAをマウスに補充すると、肥満や耐糖能異常を改善できた。

 多価不飽和脂肪酸には、大豆油などに含まれるリノール酸のようなω-6系多価不飽和脂肪酸や、えごま油などに含まれるω-3系多価不飽和脂肪酸などがある。食事の欧米化によりω-6系の摂取が増加、ω-3系の摂取が減少しており、これが肥満や糖尿病の原因と指摘されている。今回の研究結果では、肥満を進行させるリノール酸を摂取しても、腸内細菌がうまく機能すれば肥満を改善できる脂肪酸に変換してくれることになる。

(あなたの健康百科編集部)