2019年09月25日 公開

妊娠初期の引っ越しにご用心、早産リスクが上昇

 妊娠初期に引っ越しを経験した女性では、早産や低出生体重児を出産するリスクが高まるとの研究結果を、米・ワシントン大学公衆衛生大学院のJulia C. Bond氏らがJ Epidemiol Community Health(2019; 73: 913-919)に発表した。

約14万人の女性を解析

 小児期の引っ越しは小児の健康状態に悪影響を与えるとする報告がある。しかし、母親の妊娠中の引っ越しが生まれる子供の健康状態に与える影響について調べた研究は少ない。そこで、Bond氏らは今回、2007〜14年に米・ワシントン州で18歳以上の母親から生まれた子供の出生データを用いた研究で、妊娠中の引っ越しと生まれた子供の健康アウトカムの関連について検討した。

 解析の対象は、妊娠初期(妊娠1〜12週)に引っ越しを経験した女性2万8,011人(引っ越し群)と、生まれ年をマッチングした引っ越し経験がない11万2,451人(対照群)。年齢、人種、婚姻状況、出産回数、教育レベル、喫煙状況、収入、保険などの因子で調整して解析した。

早産リスクは42%上昇

 その結果、引っ越し群では、対照群と比べて生まれた子供の低出生体重リスクが37%高く、早産のリスクが42%高かった。また、引っ越し群ではsmall for gestational age(SGA)リスクも9%のわずかな上昇が認められた。さらに、妊娠初期の引っ越し経験と低出生体重および早産との関連は、女性の社会経済的状況の程度にかかわらず認められた。

 今回、妊娠初期の引っ越し経験と早産や生まれた子供の低出生体重に関連が認められた要因は不明だが、Bond氏らは「引っ越しによって居住地域が変わり継続的な受診や社会的なサポートが途切れてしまったこと、引っ越しそのものが身体的な負担になることなどが影響しているのではないか」と考察。

 その上で、「引っ越しによるネガティブな影響の要因がなんであれ、医師が妊婦に引っ越し予定の有無について尋ね、ストレス軽減法や受診の継続について話し合うことは有益だと考えられる」と結論している。

  • 在胎期間ごとの標準的な身長および体重に対し、いずれも10パーセンタイル未満である状態

(あなたの健康百科編集部)