2019年11月05日 公開

犬の飼い主は心血管リスクが低い

© Getty Images 

 ペットを飼っている人、特に犬の飼い主は、ペットを飼っていない人と比べて心血管疾患(CVD)のリスクが低い。チェコの研究者らが、同国ブルノ市在住者の心血管の健康状態を2013年から5年ごとに追跡しているKardiovize Brno 2030研究のデータを解析した結果を、医学専門誌 Mayo Clin Proc Inn Qual Out2019; 3: 268-275)に発表した。

心臓の健康指標を点数化して比較

 Kardiovize Brno 2030研究では、ブルノ市に住んでいる25~64歳の成人をランダムに抽出し、2013年1月~14年12月に基準となる心血管の健康状態を評価。その後は5年ごとに追跡評価を行い、2030年に終了する予定となっている。

 今回の解析では、CVDの既往歴がない1,769例(男性44.3%)を対象に心血管健康(CVH)スコアを算出し、ペット(特に犬)を飼うこととCVHスコアとの関連を検討した。

 CVHスコアとは、米国心臓協会(AHA)が提唱する心臓の健康指標7項目(BMI、食事、身体活動度、喫煙状況、血圧、血糖値、総コレステロール値)を、それぞれ0点(不良)、1点(普通)、2点(最適)で採点し合計したもの(範囲0~14点、高いほど良好)。

犬を飼うことで身体活動度と食事が改善

 解析の結果、対象の約42%がなんらかのペットを飼っていた。内訳は、犬が24.3%、その他の動物が17.9%であった。

 ペットを飼っている人は、飼っていない人に比べて喫煙率は高かったものの、身体活動度、食事、血糖値のスコアが最適である割合は高かった。特に、犬を飼っている人はペットを飼っていない人に比べ、CVHスコアが有意に高かった。

 また、犬を飼っている人は他のペットを飼っている人に比べ、身体活動度および食事のスコアが最適である割合が高かった。犬を飼っている人といない人の比較でも、同様の傾向が見られた。

 年齢、性、教育水準などの偏りを統計学的に調整した解析では、犬を飼っている人は、ペットを飼っていない人、他のペットを飼っている人、犬を飼っていない人に比べていずれもCVHスコアが有意に高かった。

社会的孤立感の軽減などのメリットも

 以上から研究者らは「犬を飼っている人は、飼っていない人に比べて身体活動度と食事内容が良好である割合が高く、それが心血管の健康につながっていると考えられる」と結論。「今回の結果は、AHAが2013年に発表した声明で『ペット(特に犬)を飼うことにより、身体活動度が向上してCVDリスクが低下する可能性がある』と指摘した内容と一致する」と付言している。

 さらに「犬を飼うと、飼い主は散歩などで定期的に外出して身体を動かしたり、犬と遊んだりするようになるだろう。また他の研究では、犬を飼うことがCVDのリスクを高める社会的孤立感やメンタルヘルスの改善につながることも示されている」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)