2019年11月15日 公開

米国先住民は心房細動になりやすい!?

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 心房で不規則な興奮が生じ、主に動悸や息切れ、目まいといった症状が現れる心房細動。有病率と発症率は白人で高いとされており、米国の患者数は約270万人に上るが、その危険因子(その病気にかかりやすくなる要素)は白人よりもネイティブアメリカン(米国先住民)のような少数民族で高いと考えられている。米・University of California, San FranciscoのGregory M. Marcus氏らは、心房細動の発症率と人種の関係を検討。他の人種と比べ、米国先住民では心房細動の発症率が高かったことを米国心臓協会(AHA)の機関誌Circulation2019; 140: 1605-1606) に報告した。

心房細動の根本的な原因解明に期待

 心房細動は不整脈の一種で、心不全や認知症などさまざまな病気のリスクを高めることが知られている。特に、心房で発生した血栓(血の塊)が動脈内を流れて脳の血管を塞いで脳梗塞が起きると、麻痺や意識障害が現れ、最悪の場合は死に至ることもあるので注意が必要だ。

 Marcus氏らは、米カリフォルニア州のデータベースに2005〜11年に登録された1,600万人超のデータを用いて、心房細動の発症率と人種の関係を検討した。人種の内訳は、米国先住民が0.6%(10万1,848人)、白人が57.2%(940万9,152人)、黒人が8.0%(130万9,520人)、ヒスパニック系が25.6%(420万2,316人)、アジア系が8.6%(141万6,481人)だった。

 検討の結果、1,000人当たりの心房細動の年間発症率は米国先住民で、他の人種の6.89件を上回っていた。

 この結果について、同氏は「他の人種や民族に比べて米国先住民で心房細動を発症するリスクが高い理由やメカニズムが解明できれば、心房細動の根本的な原因を究明することができるだろう」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)