2019年12月12日 公開

110歳以上の人に特殊な免疫細胞 長寿の謎解明の一端に

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 110歳以上の長寿者の血液を詳しく調べたところ、特殊な免疫細胞が多く含まれることが分かった、と理化学研究所と慶應義塾大学の共同研究グループが発表した。今回の研究結果は、免疫と長寿の関係を解き明かす一端になると期待される。

 共同研究グループは、110歳以上の長寿者7人と50~80歳の5人から採取した血液を用いて、血液中を流れる免疫細胞を1つずつ解析した。

 約6万個の細胞を調べたところ、110歳以上の長寿者では50~80歳と比べて、ウイルスなどに感染した細胞を見つけて排除する働きを持つT細胞の構成が大きく変化しており、通常の人では少量しか存在しない「CD4陽性キラーT細胞」が多く含まれてた。

マウスの実験でがんを破壊

 さらに、CD4陽性キラーT細胞の表面には、特定の抗原と結合する受容体と呼ばれる蛋白質が存在することも分かった。特定の抗原と受容体が結合して、CD4陽性キラーT細胞が増殖した可能性があるという。どのような抗原に対して増殖したかは不明である。

 マウスを用いた実験では、CD4陽性キラーT細胞が皮膚がんの一種であるメラノーマを破壊したことが報告されているが、長寿との関係は明らかではなく、今後さらなる研究が必要としている。

 日本の110歳以上の人口は、2015年の国勢調査で146人と報告されている。老化に伴い免疫力が低下するとがんや感染症などの発症リスクが高まるが、110歳以上の長寿者はこうした致命的な病気を回避して長生きしていることから、高齢になっても免疫システムが良好な状態が保てていると考えられる。

(あなたの健康百科編集部)