2020年01月10日 公開

毛染めのし過ぎは、乳がんのリスクに

©米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)

 永久染毛剤(毛染め)や縮毛矯正剤などのヘアケア製品を頻繁に使用う人では、乳がんのリスクが上昇することが分かった。米国の研究者らが、乳がんにかかったことがある姉妹を持つ女性を対象に、ヘアケア製品の使用と乳がんリスクについて検討した結果を、医学専門誌Int J Cancer2019年12月4日オンライン版)に報告した。

定期的な使用でリスクが9%上昇

 これまでにも、長年にわたり毛染めと発がんの関係は研究されてきたが、一貫した結果は得られていなかった。

 今回研究者らは、本人は乳がんではないが、姉妹が乳がんにかかったことがある35~74歳の女性4万6,709人を対象にアンケートを行い、研究参加前の1年間に毛染めや縮毛矯正剤などのヘアケア製品を定期的に使用したかどうかを確認、その後の乳がんリスクとの関連を追跡調査した。

 参加時に毛染めを使っていると回答した割合は55%だった。平均8.3年の追跡期間中に乳がんが2,794件発生した。

 解析の結果、登録前1年間に定期的に毛染めを使っていた人はそうでない人と比べ、乳がんリスクが9%高かった。

 人種別に見ると、黒人女性では毛染めを使っていた人は使っていない人と比べて乳がんリスクが45%上昇、白人女性では7%上昇した。

 また、全体では縮毛矯正剤の使用と乳がんリスクとの間にも関連が認められ、使用回数が増えるほどリスクは上昇した。

 研究者は「今回の研究では、女性の毛染め使用と乳がんリスク上昇に関連が認められ、リスク上昇の程度は黒人女性でより強く、頻繁に毛染めをする人では特に強かった」と述べた。

 さらに、縮毛矯正剤を5~8週間ごとに使用する人は、そうでない人と比べて乳がんリスクが約30%上昇した。人種別に見ると、縮毛矯正剤の使用と乳がんの関連は黒人と白人とで同等であったが、一般的に黒人女性では白人女性よりも縮毛矯正剤を使用する割合が高い。

 こうした結果を受け、女性が毛染めや縮毛矯正剤などの化学物質の使用をやめるべきかどうかについて、研究者は「われわれはヘアケア製品以外にも、乳がん発症の要因となりうる多くの物質にさらされており、1つの要因だけが乳がん発症に関わっているわけではない。これらの化学物質の使用を避けることは女性の乳がんリスクを減らすのに有効である可能性はあるが、強く推奨するのは時期尚早だ」と述べている。

(あなたの健康百科編集部)