2020年01月15日 公開

妊娠中のかぜ薬が子供のADHDリスクに?

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 市販のかぜ薬や鎮痛薬に含まれる解熱鎮痛成分のアセトアミノフェンが、ある病気のリスクを高めることが明らかにされた。米・ジョンズホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のYuelong Ji氏らは、胎児期のアセトアミノフェン曝露は、出生後の注意欠陥・多動性障害(ADHD)および自閉症スペクトラム障害(ASD)のリスク上昇と関連していたとJAMA Psychiatry(2019年10月30日オンライン版)に発表した。

自己報告に基づいた研究がほとんど

 これまでの研究から、妊娠中のアセトアミノフェン使用が出生児のADHDおよびASDのリスク上昇に関連することが示されていた。しかし、そのほとんどが母親の自己報告に基づいた妊娠中のアセトアミノフェン使用と出生児のADHDおよびASDの関連について検討した研究だった。

 そこで、Ji氏らは今回、臍帯血を調べて胎児期のアセトアミノフェン曝露量と医師の診断による子供のADHDおよびASDとの関連について検討することを目的に研究を実施。米・ボストン大学ボストン医療センターで単胎児を出産した母親と子供を1998年10月1日〜2018年6月30日まで追跡調査したボストン出生登録のうち996組の母子について解析した。

 解析対象の子供(996例)の追跡終了時の平均年齢は9.8歳で、55.0%が男児だった。このうち257例(25.8%)がADHDのみ、66例(6.6%)がASDのみ、42例(4.2%)がADHDとASDの両疾患、304例(30.5%)がこれらを除いた発達障害と診断され、残る327例(32.8%)は定型発達児であった。

曝露量が多いとリスクは2.1~3.6倍に

 アセトアミノフェンの曝露量を①低い②中くらい③高い−の3群に分けて解析した結果、低い群に対するADHD診断のリスクは、中くらい群で2.26倍、高い群で2.86倍であった。また、アセトアミノフェン曝露量の低い群に対するASD診断のリスクは、中くらい群で2.14倍、高い群で3.62倍であった。

 さらに、母親の適応や物質使用、早産、子供の年齢、性などの因子を調整しても、胎児期のアセトアミノフェン曝露とADHDおよびASDリスク上昇との関連が認められた。

 以上の結果から、Ji氏らは「胎児期におけるアセトアミノフェン曝露量と小児期のADHDおよびASDのリスクに関連が認められ、用量が増加するほどリスクも上昇することが示された。これらの結果は、従来の報告を支持するものであり、今後さらなる研究が必要だ」と結論している。

(あなたの健康百科編集部)