2020年01月20日 公開

「もしかして認知症?」気になったら専門薬剤師に相談を

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 日本では、社会の高齢化に伴い、認知症患者数が増加の一途をたどっている。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推定されている。今は家族も自分も元気だが、「もしも認知症になったらどうすればよいだろう」と、不安を抱く読者も多いのではないだろうか。そのような場合に、身近な医療者として薬剤師が頼りになるかもしれない。

学会の認定による専門薬剤師

 日本薬局学会は、厚生労働省と関係府省庁が策定した「新オレンジプラン(認知症背策推進総合戦略)」を受けて、2015年7月に認知症研修認定薬剤師制度を創設した。目的は、認知症患者とその家族に対して、専門的な対応ができる薬剤師を養成すること。

 認定取得を目指す薬剤師は、認知症が専門の医師や介護スタッフなどによる講習をはじめ、質疑応答やワークショップなどを通じて認知症の知識、ケアの方法について学ぶ。今年(2020年)に5回目を迎える同認定試験は、前回までに全国の薬剤師227人が受験し、163人が認定資格を取得している。

認知症患者、家族の薬の悩みに応える

 認知症治療薬を飲む高齢患者は、服薬に関して少なからぬ問題を抱えている場合が少なくない。服薬を忘れる、薬をなくすほか、薬の副作用、他の薬剤を服薬していることによる飲み合わせも注意が必要だ。薬の種類が変わったり、増量するケースもあるだろう。

 「認知症研修認定薬剤師は、患者や家族が訴える服薬の悩みに対し、薬局での外来対応や在宅訪問を通じて専門知識を生かした対応ができる」と、同制度の立ち上げに関わり、認定資格も取得している辻美和子氏は言う。

 処方薬の変更時や、服薬によって症状や状態の変化が見られた際には、ケアマネジャーや医師と情報を共有し、患者に最適な処方を提案することもできるという。

「最近ちょっとおかしい」に気付いたら相談を

 ありがたいことに、認知症治療薬が処方されないと、薬剤師に相談できないわけではない。

 例えば、認知症の初期には「同じ話を繰り返すようになった」「怒りっぽくなった」「入浴を嫌がるようになった」「片付けをしなくなった」といった徴候が見られることが多い。家族のこうした変化に気が付いても、受診先が分からない、本当に認知症かどうかが分からないのに受診していいのだろうかと躊躇する場合もあるだろう。そのような場合には、悩みを抱え込まず、まず薬局を訪れてみたらいかがだろうか。

 最近は、在宅訪問に取り組む薬局が増えているので、認定取得者でなくても認知症に詳しい薬剤師に質問してみるのもよいだろう。

認知症研修認定薬剤師のいる薬局はオレンジリボンの認定マークが掲げられている

 (あなたの健康百科編集部)