2020年01月30日 公開

赤ちゃんを失ったショックは長期の精神的なリスクに

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 流産などで妊娠早期にお腹の赤ちゃんを失う(早期妊娠喪失)経験をする女性は少なくなく、これまでに流産と不安やうつ病の初期症状は関連することが分かっている。しかし、早期妊娠喪失が患者のメンタルヘルスに及ぼす影響は見落とされがちだった。英国とベルギーの共同研究チームは、流産および子宮外妊娠によって早期妊娠喪失を経験した女性と健康な妊婦で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、不安、うつ症状のレベルを比較検討。その結果、健康な妊婦に比べて中等度から重度の症状が多く見られたとAm J Obstet Gynecol(2019年12月13日オンライン版に発表した。

早期妊娠喪失の9カ月後も18%が中等度以上のPTSD

 研究チームは、ロンドンの産科クリニック3施設に通院中の女性に対し、早期妊娠喪失から1カ月後、3カ月後、9カ月後にEメールによる調査を実施し、心理状態を評価した。早期妊娠喪失した女性からの回答数は、1カ月後が492件、3カ月後が426件、9カ月後が338件だった。

 解析の結果、早期妊娠喪失後1カ月にPTSDが29%、中等度から重度の不安が24%、中等度から重度のうつ症状が11%に見られた。3カ月後にはそれぞれ21%、23%、8%、9カ月後には18%、17%、6%だった。PTSDがある女性では、悪夢やフラッシュバックに悩むケースもあった。

 一方、健康な妊婦(87例)では中等度から重度の不安が13%、中等度から重度のうつ症状が2%に見られ、早期妊娠喪失した女性よりも割合が低かった。

長期のサポートを視野に入れた最適な治療を

 早期妊娠喪失後、時間の経過とともに精神的な症状は減少することが多いが、9カ月時点においても多くの患者が苦しんでいる点を研究チームは指摘。精神的な症状を発症するリスクが高い女性を見極め、最適な治療を提供するため、今回の研究が一助となることを期待している。

(あなたの健康百科編集部)