2020年03月26日 公開

魚油サプリが死亡リスクを下げる?

 ω3脂肪酸が豊富に含まれる魚油サプリメントは、先進諸国で広く用いられている。中国と米国の共同研究グループは、日常的な魚油サプリメントの摂取が心臓病や脳卒中(心血管疾患)に及ぼす影響について、一般住民を対象に検討。その結果、日ごろから魚油サプリメントを摂取している人は、心血管疾患による死亡リスクや全死亡リスクが低いことが明らかになった。研究の詳細は、BMJ2020; 368: m456)に掲載されている。

リスク低下は全死亡13%、心血管疾患による死亡16%

 魚油サプリメントに含まれるω3脂肪酸は、心血管疾患や死亡のリスクを下げると報告されている。その一方で、否定的な研究結果も示されており、決定的な証拠は不足している。そこで研究グループは、英国の一般住民を対象とした大規模研究の参加者のデータを用いて、日常的な魚油サプリメントの摂取と心血管疾患や死亡との関連を調べた。

 解析の対象は、2006~10年に同研究に参加登録した40~69歳の男女で、登録時に心血管疾患またはがんを発症していない42万7,678人。登録時に魚油サプリメントを日常的に摂取していたのは、13万3,438人(31.2%)だった。

 年齢、性、運動習慣、食事、薬剤や他のサプリメントの使用などの影響を除いた上で解析したところ、日常的に魚油サプリメントを使用していた人では、使用していなかった人と比べて、全死亡リスクが13%低く、心血管疾患による死亡リスクは16%低かった。また、日常的な魚油サプリメントの使用者は、非使用者よりも心血管疾患を発症するリスクが7%低く、特に高血圧の人でその傾向が強かった。

 研究グループは、今回の結果に関して「ω3脂肪酸のサプリメントは血圧や脂質、心拍に良い影響を与えることが示されているが、これらが心血管疾患の発症を抑える方向に働いているのではないか」と考察。ただし、今回の研究の限界点として、一般住民を観察した研究であるため因果関係を示すものではないこと、魚油サプリメントの使用量や使用期間などの情報は収集できていないこと―などを挙げ、「リスク低減効果を得るために必要な魚油サプリメントの摂取量を検討するには、さらなる研究が必要だ」との見方を示している。

(あなたの健康百科編集部)